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シャンパーニュの簡単なまとめ

クリスマスや誕生日など、お祝いごとの席には欠かせないシャンパーニュ(シャンパン)。発泡性のワインなら何でもかんでも「シャンパン」と呼ばれてしまいますが、ここできちんとシャンパーニュについて知っておいて損はないでしょう。

日本語wikiのシャンパンの項目よりもより詳しくを目標に、その基礎についてまた楽しみ方について何回かに分けてまとめてみます。

第1回目は、シャンパーニュとは何か?とその歴史についてです。

シャンパーニュののwikiより詳しい簡単なまとめ 連載記事

シャンパーニュのwikiより詳しい簡単なまとめ[1] シャンパーニュ(シャンパン)とは何か?とその歴史について
シャンパーニュのwikiより詳しい簡単なまとめ[2] シャンパーニュ(シャンパン)のエチケット(ラベルの読み方と生産地について
シャンパーニュのwikiより詳しい簡単なまとめ[3] シャンパーニュ(シャンパン)で使用されるブドウ品種と製法、そして楽しみ方について

シャンパーニュとスパークリングワイン

シャンパーニュとは

シャンパーニュ ローズ・ド・ジャンヌ

簡単にいいますと、
フランス北東部にあるシャンパーニュ地方で生産されたブドウのみを使用し、炭酸ガスによる発泡性を生み出すために瓶内二次発酵を行った上で、最低15ヶ月以上の熟成を行った発泡性ワインのこと
となります。

つまり、シャンパーニュ地方以外で生産された発泡性ワインはシャンパーニュとは呼ばれず、呼んでもいけないのです。より正確を期すならば、AOC(原産地統制呼称)という認証制度で規定されているのですが、シャンパーニュ地方でも特定の地域で生産された特定品種のブドウを使用し定められた醸造法に従わなければいけないことになっています。この地域やブドウ品種についてはより詳しく第2回でご紹介します。

シャンパーニュ地方のブドウ畑


シャンパーニュ地方のその他のワイン・酒類

シャンパーニュ地方では発泡性ワインの他に、赤ワイン、白ワイン、ロゼワインが生産されており、シャンパーニュを含めたワインをもとにブランデーやデザート酒も生産されています。さらに一部では、シャンパーニュ地方で生産される麦を使い、ウィスキーすらも生産されています。

種別 名称 備考
スティルワイン コトー・シャンプノワ
Coteaux Champenois
シャンパーニュ地方全域で生産される非発泡性ワイン。赤・白・ロゼが存在しています。
ロゼ・デ・リセ
Rosé des Liceys
オーブ県リセ村で生産されるロゼ。コトー・シャンプノワとは別のワインとして扱われます。
コトー・ド・コアフィ
Coteaux de Coiffy
1989年に新設されたヴァン・ド・ペイ(vin de pays 地酒)で、2009年からはIGP(indication géographique protégée 地理的表示保護ワイン)扱いとなっています。オート・マルヌ県コアフィ・ル・オ村周辺の僅か26haの畑で、赤・白・ロゼが生産されています。
オート・マルヌ
Haute-Marne
ヴァン・ド・ペイ(vin de pays 地酒)で、2009年からはIGP(indication géographique protégée 地理的表示保護ワイン)扱いとなっています。オート・マルヌ県にあるシャンパーニュの指定外の畑が主な対象で、赤・白・ロゼが生産されています。
ブランデー フィーヌ・ド・シャンパーニュ
Fine de Champagne
シャンパーニュ地方で生産されたワインを蒸留して造られるブランデー。
マール・ド・シャンパーニュ
Marc de Champagne
いわゆる粕取りブランデーのことで、シャンパーニュ地方で生産されたブドウから果汁を絞ったあとのブドウ粕をもう一度発酵させ蒸留したブランデー。
デザート酒 ラタフィア・ド・シャンパーニュ
Ratafia de Champagne
マール・ド・シャンパーニュにシャンパーニュ地方のブドウ果汁を加え熟成したもの。

コトー・シャンプノワ ロゼ・デ・リセ フィーヌ・ド・シャンパーニュ マール・ド・シャンパーニュ

シャンパーニュ以外のスパークリングワイン

ドイツのスパークリングワイン ゼクト

フランス国内

初の発泡性ワインと言われているリムーを始め、アルザスやロワール、ブルゴーニュ、ボルドーなど各地でシャンパーニュと同じ方式で生産されるクレマン(Crémant)の他、様々な製法で造られるムスー(Mousseaux)、そして弱発泡性のペティヤン(Pétillant)が存在しています。

クレマンはAOCで規定がありますが、ムスーにはAOCで指定されているもの、されていないものまで様々な種類があり、数多くのものが市場で見られます。

フランス以外

イタリアのスプマンテ、スペインのカヴァ、ドイツのゼクトなど各国で生産されており、シャンパーニュ方式による製法だけでなく、様々な製法のものが存在しています。

シャンパーニュの歴史

古代〜7世紀

古代、ガロ・ローマ時代に現在のシャンパーニュ地方にあたるガリア北部にもブドウ畑があったという説があるものの、一般的には4世紀ごろまでブドウ畑は無かったとされています。

7世紀頃、他のワイン生産地の多くと同じく、王侯貴族やキリスト教聖職者の収入と威厳をもたらすものとされていたブドウ畑がシャンパーニュ地方で広がり始め、1114年にはこの地の時の司教であったギヨーム・ド・シャンポー(Guillaume de Champeaux)が修道院に対し農業とワイン生産の特権状を与えたと記録に残っているそうです。これにより、修道院など聖職者によるブドウ畑の拡張が長く続くこととなります。

〜17世紀

モエ・エ・シャンドン社にあるドン・ペリニョン像

1584年、ピエール・ゴッセ(Pierre Gosset)がアイ(Aÿ)村の村長に選出されていますが、彼はシャンパーニュ地方産ワイン(当時はまだ非発泡性ワインのみでした)の生産者兼ネゴシアン(酒商)で、彼の一族は現在存在するゴッセ・ブラバン(Gosset-Brabant)とメゾン・ゴッセ(Maison Gosset)へと繋がります。

1670年、オーヴィレール(Hautvillers)のベネディクト会修道士であったかの高名なドン・ペリニョン(Dom Pérignon)が、現在多くのシャンパーニュで採用されている複数の畑からの複数のブドウ品種のブレンド(アッサンブラージュ)により、それぞれが持つ欠点を補い品質を向上させる手法を開発しました。また、ラングドック地方の修道院へ巡礼を行った際、既に1世紀以上も前から存在していたリムー(Limoux)の発泡性ワインの醸造法を知ることとなり、シャンパーニュ地方産のワインでその手法を試すこととなります。同時に彼はその発泡性を保つために必要なコルク栓やボトルの開発も行い、これも含めて現在のシャンパーニュを形作った功績とされています。

〜20世紀

メゾン・ルイナールの建物

1695年頃、発泡性を保持する特別なボトルに詰められた発泡性シャンパーニュ産ワインが初めて販売され、1729年にはランス(Reims)のニコラ・ルイナール(Nicolas Irénée Ruinart)がメゾン・ルイナールを興し、発泡性シャンパーニュ産ワインの取り扱いを開始しています。

その後、発泡性シャンパーニュ産ワインの名声が広がるにつれ様々なメゾン(ブドウを購入し製造販売する業者)が設立されると同時に、その名声に相乗りする形でChampagneと名付けられた発泡性ワインがフランス国内外で生産され、徐々に一般名称と化していました。そのため、シャンパーニュと呼べる本物とそれ以外を区別しようとする動きが広まり、1908年にシャンパーニュの産地を確定する政令が布告されることとなります。

1927年、シャンパーニュの産地を再度規定する政令が布告され、当初は除外されたオーブ県なども産地として認められることとなり、1936年のAOC獲得へと至ります。そして現在、シャンパーニュの名声は揺るぎないものとなり、さらなる発展を遂げています。

ドン・ペリニョンの肖像画が許されたシャンパーニュ

シャンパーニュ・ゴビヤール

かの有名なモエ・エ・シャンドンによるドン・ペリニョン。ドン・ペリニョンの名前がついていて本社に銅像までたっているのに肖像画が描かれていません。
実は肖像画を用いることが許された唯一のシャンパーニュが別にあるんです。
それが、J.M.ゴビヤール(J.M.Gobillard)のシャンパーニュです。

ピエール・ゴッセから続く生産者

ピエール・ゴッセから数えること7代後の当主オーギュスト・ゴッセの次男アンドレが自社のみでなく買い付けたブドウやワインを販売するメゾン・ゴッセを設立、三男ガブリエルは自らの畑で生まれたブドウのみからシャンパーニュを生産し、妻アンドレ・ブラバンの名前を用いゴッセ・ブラバンと名付け販売、現在に至ります。

ゴッセ・ブラバン メゾン・ゴッセ

最古のメゾン、ルイナール

メゾン・ルイナール

1729年創業の最古のシャンパーニュ・メゾン。設立者ニコラ・ルイナールの叔父にあたるベネディクト会修道士ドン・ティエリー・ルイナールが時の宮廷で発泡性のシャンパーニュがもてはやされていることに着目したことに由来しているとされています。

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