ブルゴーニュ区画図の見るべきポイント


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ブルゴーニュ区画図の見るべきポイント

こん**は、@wine_and_webことhirok-kです。

先日の記事ブルゴーニュワイン好きなら持ちたいiPhoneアプリでご紹介した区画図、どの畑がどこにあるのかを知るにはもってこいなのですが、見方によってはかなりの情報量をもっています。

そんな知っておくと便利なブルゴーニュ区画図の見るべきポイントご紹介します。

基本的な情報

まずは基本的な情報を抑えておきましょう。
シャブリとシャロネーズ、そしてマコンの各一部を除き、ブルゴーニュでは基本的には東〜南東向きの丘の斜面に畑が広がっています
またその斜面は形成年代こそ違うものの、基本的に石灰岩またはそれに由来する石灰質の土壌で構成されています。
(ボージョレはここでは別地域として考えますので、考慮外としてください。)

ブルゴーニュ全域の起伏図

方角

これがわからなければ始まりません。同じ村でもより北にあるのか、南にあるのか、それだけでも変わりますし、東なのか西なのかでも変わってきます。

特に南北にながいジュヴレ・シャンベルタンやニュイ・サン・ジョルジュ(プレモー村含む)、東西に長いサヴィニー・レ・ボーヌなどではその違いは顕著で、同じ村名ワインであってもかなり異なる個性を持っています。

東西南北に長いジュヴレ・シャンベルタン南北に長いニュイ・サン・ジョルジュ東西に長いサヴィニ・レ・ボーヌ

等高線

これも重要な要素です。この等高線がわからないと、その畑がどちらに向いているのかがわからいない上に、斜面の角度もおおよその想像がつかなくなります。また、グラン・クリュやプルミエ・クリュは、土壌や傾斜だけでなくその標高も重要な目安となっています。

一般に標高の高い畑は酸度が高くフレッシュな印象を、標高の低い畑はたっぷりとした印象を与えるワインが生まれます。

モレ・サン・ドニでの等高線の例

希望を言えば、1m単位、いや5m単位でもいいのでその情報があると嬉しいのですが、等高線が入れられている区画図は10m単位または20m単位となっていますので、残念ながらより細かい起伏がわかりづらくなっています

谷または川や池

谷があることで、丘(または山)の上から冷たい空気が降りてきやすく、また風雨で流された土砂がその谷の出口で扇状地を形成します。また、場合によっては地下水位が高くなったり、小川や泉が出現する要因となったりもします。

谷から流れ出る冷たい空気は標高の高い畑と同じくブドウの成熟に影響しますし、扇状地つまり堆積土は標高の低い畑と同じくワインの質に影響をを与え、地下水位の高さはブドウ果実が水分で希釈されやすいためワインの質に少なからぬ影響を与えることを意味しています。

また谷の出口の両斜面は向きが真逆になることもあり、日照にも関わってきます。

例えばシャンボール・ミュジニー(Chambolle-Musigny)のシャンボール、この語源となったとされるラテン語Campus Ebullie(仏語Champ bouillonnant)は「湧き立つ地」「泡立つ地」を意味しているのですが、これはアムルーズの畑の下に泉があること、または村の地下水位が高いことを指していると言われています。

シャンボール・ミュジニーにある谷と泉、川の例

国道D974号線

コート・ドールを南北に走る国道D974号線は、斜面と平地を分ける目安になっています。また、村名クラス以上のワインとそれより下のクラスのワインを分ける目安でもあります。

通常D974から東にある畑からはレジオナル(ブルゴーニュ・ルージュやブルゴーニュ・ブラン)しか生産されません。これは堆積土が厚く地中深くに母岩があるためです。逆に西にある畑では、村名クラス以上のワインが生産されています。つまりD974を基準とすることで、堆積土が厚いか厚くないかをおおよそながら類推することが可能となります。

なお、ジュヴレ・シャンベルタンやモレ・サン・ドニ、プレモー(ニュイ・サン・ジョルジュまたはコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ)、ショレ・レ・ボーヌでは、村名ワインがこのD974を超えた畑でも生産されています。唯一の例外がプレモーにあるニュイ・サン・ジョルジュ 1er クロ・デ・グランド・ヴィーニュ(Nuits St.Georges 1er cru Clos des Grandes Vignes)で、D974よりも東に存在するプルミエ・クリュです。

cote-de-nuits
D974よりも東にある唯一のプルミエ・クリュ

区画図からは解らない点

区画図は重要な情報源ではありますが、それでも解らない点がいくつかあります。それを列挙しますと・・・

  1. 小さな凸凹
  2. クロ(畑を囲う壁)の存在
  3. 土壌
  4. 樹齢
  5. 単独所有(モノポール)か否か
  6. 各生産者の所有畑の位置
    など

1と2はGoogleストリートビューで確認することが可能です。Googleストリートビューではかなり細かな農道でも撮影をおこなっており、2014年2月現在2012年7月に撮影された畑をも見ることが可能となっています。これにより、小さな窪地や小さな盛り上がりも確認することができ、区画図ではわからない畑の様子を知ることが可能となります。

Googleストリートビューによる畑の例(クロ・ブラン・ド・ヴージョ)

3と4は残念ながらGoogleストリートビューでも大まかなことしかわかりません。ですので、各生産者が公表しているテクニカルシート(Fiche Technique)を参照することをおすすめします。

5はワインのエチケット(ラベル)に誇らしげに掲げられていることが多いのですが、区画図では残念ながらそれがわかりません。また完全なリストも存在しないため、生産者のオフィシャルサイトやテクニカルシートなどで一つ一つ確認する必要があります。

近くそのモノポール畑のリストを掲載する予定です。
モノポール畑のリストを公開しています。こちらをご覧ください。

最後の6は生産者が公表しているテクニカルシートでも確認できないことが多く、様々な資料から特定するほかないのが現状です。しかし、いくつかの生産者ではその畑の位置をGPS座標で公表するところもでてきているため、今後の動向が期待されます。

まとめ

たかが区画図、されど区画図。
好きな村、好きな区画、それをもっと知ることでブルゴーニュワインをもっと楽しく美味しく飲めるはずですし、知らなかった区画を試したくなること請け合いです。
これをきっかけにさらにワインを好きになっていただければ幸いです。

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